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チラシの裏

人生空振り
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ピトリン

ショタおにのお兄さんが「したいの?」って聞くの性癖です。


 頬に添えられた手は輪郭を滑り、唇を撫でる。
「…ピットは、したいの?」
 二人とも地べたに座り込んでいたが、悲しいかな身長差は立っている時となんら変化はない。けれど、下方の僕を見下ろしているために伏し目がちになっているリンクさんを見ていると、そんなことは考えられなくなった。
 自分を見る目が、なんだかいつもと違う。いやいや、それこそ自分がなにを言ってもサラリと受け流してしまうのに、今日に限ってどうして! リンクさんのほうから触れてくるだなんて。しかも触り方が肩に手を置いたり、背中を叩いたり、そんな日常的なコミュニケーションとは全く違う意図を持っている動き方だってわかる。心臓がドキドキして、爆発して死んじゃうんじゃないか。なんて。
 息をするのに必死になっていると、リンクさんは無言の僕をどう受け止ったのか、というか、お構いなしなのか、顔をぐっと寄せてくる。僕の視界はリンクさんでいっぱいになって、いよいよもって視線の逸らす先がなくなる。真っ直ぐ見たらそりゃ目がかち合うし、左は髪の毛がのれんのように覆っていて、右は僕の唇をなぞってくる左腕が繋がっていて……そして、下に向ければ唇だし。
 男の人なのだから、ぽってりしていてセクシーだとかそんなことはないし、そんなこと言ったらパルテナ様の唇のほうが厚みがあって、お化粧をしているのかよくわからないけど赤く色づいていて、食べ頃のサクランボみたいですっごく美味しそうだ。それと比べたら全然美味しそうだとは思わない。それなのに、こんな風に心臓が痛くなる気持ちはリンクさんにしか感じたことはない。



そのうち再構成してペラ本にできたらいいなあと。

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